JBL4344の調整と特性2008年12月16日

JBL4344スピーカーのエッジ交換後、DEQ2496を使った音響調整を一通り終えたので、このブログにはイコライザーの設定値グラフと、出ている音のPAA3(リアルタイム・音響アナライザー)で測定した結果を掲載しておきます。詳細はHPのほうで報告しました。
http://www.asahi-net.or.jp/~rt6k-okn/audioj.htm

 左右の差の追い込みに相当苦労いたしました。これは主に部屋のせいです。
 PAA3もDEQ2496のアナライザーもありますが、測定は最終的にあてにならない(特に波長が頭の大きさ程度になる周波数帯=数千Hz)。結局、耳が頼りです。
 いまや、バイオリン独奏や声楽ソロなど、なんでもぴたりと中央に定位し、ふらつかなくなりました。これはDEQ2496の最大の貢献です。

人生で初めて買った中古LPレコード2008年12月05日

1960年代後半に流行した、Moogという電子楽器を使った音楽は結構はまってました。いま聴いても懐かしいし、実に電子音楽らしい。
以前に紹介した The amazing electronic new pop sound (国内での4chステレオテープでの発売時の題名は「驚異の電子音楽」) がよい例。これはCDで再発売してくれていたので、無事入手できたのです。

 もうひとつ、Moog音楽の愛聴盤なのに当時のFMエアチェック(FM放送を録音すること)の音しか残っていないアルバムがありました。エアチェックですので曲のデータも乏しく、
 ●キーワード:エレクトロニック、ラテン、モーグ
 ●アルバムにはイパネラの娘が入っていた
 ●他は曲名も不明、moog演奏者不明
 ●「LPの発売は1960年代後半」
しかわからない。

 さて、これだけの情報で探せるのか・・・。実は数年間いろいろ探しました。しかし「CD」は見つかりませんでした。それでふと思ったのです、結局1回もCDで再発売されてない、というケースはどうすればよいか、と。
 で、捜索範囲を、LPの中古まで広げました。するとありましたねえ、しかも国内の輸入中古レコード店に:

Richard Haymax, "Genuine Electric Latin Love Machine"
moogサウンド、販売時期:1969年
曲目リストにはイパネラの娘もありますし、これに間違いなさそう。

 そんなわけで、「中古LPレコード」というものを、生まれて初めて買いました。状態は5段階の「3」。はて、まともなものが来るのか? まあ、仮に傷だらけで聴けないものでも損は4000円だし、多少でもまともならばFMエアチェックの音よりはずっとよいに違いない・・・・。

 などと待つこと一週間。
 来ました! それが写真のジャケット。内容はずばりあたり。これが探していたレコードそのものです。
 ただね、レコードの状態は、私の想像を絶するものでした。ディスクは傷もなくきれいです。が!!、マスクをしないと窒息しそうになるほど、かび臭い。ジャケットだけでなく、レコード本体も・・・。どんな状態で保存されていたのかな。

 クリーニング・スプレーを半缶使い、徹底的に洗いましたが、それでも、最初のトレースでは、数分の演奏でさえ尋常じゃない量のごみが針先につき、演奏不能。昔から持っていたトレース式クリーナも久々に投入して音溝を演奏と同時間かけて掃除、二回目からは、カビの匂いはまだ若干ありますが、ごみはつかなくなり、MC30Wにて演奏可能となりました。

 しかし、中古レコードとはいえ、商品として売っている以上、レコードクリーニングマシーンでのアルコール清掃くらいはしておくってくるのかと思っていました。甘かったか。まあ、演奏できてよかった。埃汚れとかび臭いだけで、キズはなく、音質は期待以上に上等でした。

 ジャケットそのものも、かび臭くて触りたくないので、LPはただちにDATに吸い上げ、レコードとジャケットは密閉して永久保存といたしました。

使用DAC
LP→DAT→DEQ2496→DAC64で聞いています。

JBL4344のエッジ交換結果2008年12月01日

JBL4344のユニット、バスとミッドバス、各2本が新エッジになって戻ってきました。
 早速、慎重に取り付けました。取り外しのときと異なり、エッジに触ってしまって傷つけたら一大事なので、取り付けのほうが緊張しました。ドライバーの操作もゆっくりと・・・。ユニットは結構重いので、ネジを二本ほど締めるまでは、二人(4本の手)でやったほうが安全な気もしました。ま、私は必死で一人でやりましたけれど。

 さて、音の変化は? 意外なほど小さいです。DEQ2496で測定してまったく変化がなかったわけではないですが、耳では容易に調整できない範囲のわずかな変化でした。詳細はHPにて報告してあります。
http://www.asahi-net.or.jp/~rt6k-okn/audioj.htm

SP修理代金2008年11月07日

見積もりが送られてきました。でも、HPでチェックしていた価格よりかなり安い。「あれ、どうしてだろう」と思って、もう一度HPへチェックに行くと、「10月1日からJBLスピーカーの修理代値上げ」と先日まで掲載されていた記載が消えてなくなってます。きっと、この「激円高」の真最中に(修理とはいえ)輸入品の値上げは見直したのでしょう。助かります。かなり得した気分でした。
 差額(では足りませんが・・・)で、50Hz近傍の補正専用にスーパーウーハーを導入してメインスピーカーとアンプの負荷を下げることを思いついてしまいました。測定器もイコライザも揃ってるんですから、調整は簡単でしょう。もちろんまだ作戦中。修理完了後の音を聞いてからよ~く考えます。作戦中が一番楽しいですねえ。

スピーカーを発送2008年11月05日

本日、ウーハー2本と、ミッドバス2本をハーマンインタナショナルに発送しました。(写真は38cmウーハー)。
 電話で聞いたところでは、2週間くらいで直りそうな雰囲気でした。
 エッジが新しくなると、どれくらい音が変わるのでしょうね。何しろ、今回は交換直前の測定結果が残っていますが、果たして測定にかかるほど変わるのでしょうか。それとも気のせい程度でしょうか。壊れたときは再調整にうんざりもしましたが、今はすこし変化が楽しみになってきています。それも、DEQ2496のおかげで何があろうと「必ず何とかできる」という自信ができたからでもありますが。

ウーハーエッジ破損2008年11月04日

 愛用のJBL4344はもう十数年たっています。そろそろスピーカーのエッジは寿命のはずでした。したがって、DEQ2496で50Hzのディップをブーストするのはかなり危険とは感じていたのでした。
 で、やはりやってしまいました、ウーハーエッジ。完璧に破損です。
 もちろん、これはDEQ2496のせいではなくて、寿命です。50Hzを補正したことで寿命が縮まったのかもしれませんが、いつかは起こると思っていたことですし、通常は10年持たないのですから、あきらて修理します。当然ながら、ミッドバスのエッジも一緒に交換します。
 人生で最良の音に到達したところだったのに、数週間後には、また最初から調整になるのでしょうねえ。修理代よりそのほうが痛いです。あまり変わらないことを祈っています。
 ま、いまや道具が揃ってますから、エージングさえすめば、きっと追い込みは早いでしょう。

DEQ2496使用前使用後の特性2008年11月01日

 DEQ2496があまりに調子よろしいので、専用マイクロフォンECM8000も買ってみました(5800円とこれも安め)。このマイクを繋ぐと、61バンド(1/6cot)のリアルタイム・スペクトル・アナライザーとしても動作します。 PAA3は31バンドなので、それを上回る精度で測定できるのと、積分(アベレージ)時間が長くできるので、安定した平均特性を見ることが出来るようになりました。
 元の特性(左右混合)が上、GEQを駆使して調整した特性が下。確かに凸凹が減ってますが、実は、この効果より、左右の特性が同じになったことの影響のほうが音の上では大きいように思われます。
 実は、パラメトリックイコライザー(PEQ)はさらに1/60octで周波数をチューニングし、スロープも急峻にして調整可能なので、残った凸凹を左右別にとことん補正して見ました。
 ・・・・が!、意外なことに、試聴結果がGEQだけの結果に比べてあまり良くないのです。なにが「良くない」のか、言葉でいえないのですが、なんか定位も音も不安定。スロープを急にして細かく上げ下げしたので、測定では平均化されて見えない細かなピーク・ディップを実は作ってしまったのかもしれないし、あるいは、部屋特有の定在波の影響を、EQで完全に補正しようというのは無理があるのかも。ちょっとしたディップでも7dBとかのブーストが平気で必要なんです。そのぶん、パワーアンプにも、そして部屋にも負担がかかっていることになる。
 結局、1/60octのPEQによるさらなる微調整分は不採用とし、写真の1/3octGEQだけでの調整までで、とりあえずの完了としました。今のところ、どんな曲を聴いてみても、非常に良くなってます。

ついにデジタルイコライザーを導入2008年10月25日

BEHRINGER DEQ2496
 最近、調整を進めるほどに、部屋の特性が主因と思われる細かなピークや左右の微妙なアンバランスが気になっていました。マッキントッシュC46のイコライザーは、8バンドであることに加え、左右別々に調整できないため、この種の左右バランスやピーク調整には無力です。
 そんな私の目にとまったイコライザーがべリンガーの「Ultra High Precision Digital Equalizer DEQ2496」です。 

 5万円程度の激安価格ながら、完全なデジタル処理による31バンドグラフィックイコライザー(GEQ)+周波数可変(1/60 oct刻み)の10バンド・パラメトリックイコライザー(PEQ)を備えます。

 しかし、なにより注目したのは「デジタル入出力がある点」です。名前の通り96kHz、24ビットまで同期します。

 これをオラクルCD-DRIVE と DACの間に入れ、デジタル領域だけでイコライジングする、というなら音質劣化を最小に出来そうじゃないか、という大変に安上がりな方法を思いついてしまったのです。
 結果はオーディオのページにてご覧ください。
http://www.asahi-net.or.jp/~rt6k-okn/audioj.htm

結論を言えば、200%の成功と思います。

インターナショナルオーディオショー2008年10月07日

マークレビンソンのSACDプレーヤー
久し振りの更新になります。
週末に有楽町で開催されたインターナショナル・オーディオ・ショーにことしも行ってきました。特別にほしいものがなかったという私の個人的事情もあるとは思いますが、いまいち注目の新製品などが少なめな気がしました。私の眼を引いたのは、そろそろ出るといわれ続けていたマークレビンソンのSACDプレーヤー。ついに出るらしい。試作品が置いてありました。「No.512」だそうです。少なくともトレーは動いたので(コラコラ、勝手にボタンを押すな (^^;)、音も出るのかも。販売時期は未定だそうです。
 ただですね、デザインが、まったくふつーの黒い箱になってしまいました(写真)。このままのデザインで出てくるならちょっと悲しい。No.390SLと並んでいたら、思わず390を買っちゃいそうです。No.326などとも似合わないし、どう考えているのかな。私は買いたくならなかったなあ。
 今のところ、私の場合、SACDは、ひたすら待ち状態。88.2kHzか96kHzのPCMで出力されるドライブが出ないものかなと、ね。そうすれば、すべてのDACを使えるようになるし。少なくともWADIAはできたんですから、規格・規則上できないわけではなさそう。

 私のシステムについては、現在、オラクルCDドライブからのデジタル出力をデジタルのままで直接調整するグラフィックイコライザーをテスト中。ほどなく結果を報告予定です。しばしお待ちください。かなりいいです。しかもデジタルのままでの調整ならアナログ変換がないので、とにかくお金がかからず、音質変化も微小(検出不可みたいです)。3台のDACもそのまま使い分けられます。

真夏のパワーアンプ(PMA)の電源2008年08月05日

 非常に暑くなってきました。オーディオの部屋は応接間ですので、平日昼間は誰も居ません。したがってエアコンもかけていませんので室温が30℃を超えます。
  AB級とはいえ、さすがのPMAもずっと電源を入れたままではいささか過熱気味になってきました。オーバーヒートして非常停止になっていたことはまだありませんが、少々心配になってきたので、夏の間は電源を「AUTOモード」にして見ました。

 AUTOモードとは、15分音がないとスタンバイに入り、音が入るとONに切り替わるというモード。

 ただし、この機能、動作がイマイチ。感度が悪いので、静かな曲だとボリュームを普段聞く位置より上にしないとスイッチが入りません。
 しかも、電源ONになってから音が出始めるまで5秒くらい時間がかかる。まあ、そのおかげでいきなり大きな音がでないですむのですけれどねえ。

実際の操作はというと、

1)CDを演奏しボリュームをかなり上げる
2)ONになる時の「カチ」っというリレーの音を聞いたら
3)すぐににボリュームをゼロに下げ
4)背面のLEDをミラーで見て左右CHともONなのを確認し
5)CDを一旦とめて
6)ボリュームをいつもの適切位置に設定し
7)CDの演奏を開始

という、まことに非常識なほど面倒な操作が必要になりました。

 そもそも、ONになってから何秒もかかって音が出始めるのですから、この機能ではCDを最初からは聞けないのが前提なのです。こんな機能なら、マッキントッシュC46のように、手動でONにするスイッチを全面に付けてくれればいいのになあ。
 ちなみにLPだと、最初に針を落とすときの信号で確実にONになり便利です(^^;

 意外だったのは、音の立ち上がりにかかる時間。スタンバイモードでは、時間が経ってもほとんど温度が上がってこないので、この状態でいきなりONになっても音が正常になるまで時間がかかりそうだと思ってました。
 ところがです。実際に実施して見ると、おかしいのは最初の数分で、5分もすればほぼ正常な音に立ち上がります。電源がずっとON状態のままのときと同じです。これは不思議。部屋全体が暖かいので、内部まで温度が上がっているからなのかなあ。あるいはスタンバイでは適切な回路にだけ電流を流しているのか。

 まあ、とにかくも、そういうわけで、最初の面倒な操作さえ受け入れるなら、夏の間はAUTOモードでいきなりONにして音楽を聞き始めても、とくに問題なく楽しめています。