パールマンのバイオリンとDEQ2496の調整2009年01月14日

 パールマンのバイオリン曲、一時期大変好きで(今もですが)、レコードやCDをたくさん持っています。そのCDが今、DEQ2496の調整で非常に助かっているいるという話題です。

 DEQ2496による左右バランスの調整が進み、4344のシステムは非常に定位が良くなっています。
 ご存知の通り、バイオリニストは演奏中、よく動きます。一つの表現であって、動いて悪いとは夢にも思っていないのですが、こと、DEQ2496による調整においては、まことに都合が悪い。いまや、バイオリニストが演奏中に右に左にと動くのがわかってしまうようになりました。演奏としては臨場感があって楽しいですが、調整中だけはお願いだからじっとしていて! なんてね(^^;

 しかし、いつも試聴にも使ってきたパールマンのCDだけ、うまく調整するとぴたりと動かない。いや、正確に言うと、パールマンのバイオリンを聴いて、ある音程だけ、定位がフラッと動くのを発見し、その音域の左右バランスを0.5dB調整したらきれいに止まり、その後、どのパールマンの演奏を聞いても微動だにしない。

 私は、いま、パールマンの演奏会をサントリーホールに聴きに行ったときのことを、はっきりと思い出しています。パールマンは足が不自由なので車椅子で演奏するのです。だから、上体も大きくは動かさず、もくもくと演奏します。でも、その演奏は情感たっぷりですばらしいのです。身体を動かすエネルギーがすべてバイオリンに行っているように、無駄がない。

 だから、パールマンの演奏ではバイオリンの定位が動きません。定位がいいので、昔から試聴に使っていましたが、改めてその理由がなぜだったのかを納得しました。

 私がいつも試聴に使うのは、サン・サーンスのバイオリン協奏曲の冒頭部。出だしからパールマンの独奏がしばらく続くのです。DEQ2496で調整した音では、「あれ、モノラルボタンが押してあったか?」と思うほどの定位で、まさに「ど真ん中」で演奏してくれます。まるで私一人のために演奏してくれている気がして、吸い込まれるように全曲聴いてしまうのでした。

使用DAC: DAC64 makr2 + DEQ2496